ちょっと空いてる時間にサラッと眺めることができる、答えがすぐに分かる宅建過去問です。平成10年(1998年)の宅建業法過去問を見ていきます。

宅建過去問(平成10年)宅建業法

〔問30〕宅地建物取引士 (以下「宅建士」という。) Aが甲県知事の宅建士登録を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 宅建士Aが、乙県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事するため、宅建士登録の移転とともに宅建士証の交付を受けたとき、宅建士登録移転後の新たな宅建士証の有効期間は、その交付の日から5年となる。
× 宅建士Aが、宅建士として行う事務に関し不正な行為をしたとして、乙県知事から事務禁止処分を受けたときは、Aは、速やかに、宅建士証を乙県知事に提出しなければならない。
〇 宅建士Aは、氏名を変更したときは、遅滞なく変更の登録を申請するとともに、当該申請とあわせて,宅建士証の書換え交付を申請しなければならない。
× 宅建士Aは、宅建士証の有効期間の更新を受けようとするときは、甲県知事に申請し,その申請前6月以内に行われる国土交通大臣の指定する講習を受講しなければならない。

〔問31〕宅建業者A (法人) が受けている宅建業の免許 の取消しに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aの取締役Bが、道路交通法に違反し懲役の刑に処せられたものの、刑の執行猶予の言渡しを受け、猶予期間中であるとき、このことを理由としてAの宅建免許が取り消されることはない。
× 宅建業者Aの非常勤の顧問であり、Aに対し取締役と同等の支配力を有するものと認められるCが、刑法第247条 (背任)の罪により罰金の刑に処せられたとき、このことを理由としてAの宅建免許が取り消されることはない。
〇 宅建業者Aの従業者で、役員又は政令で定める使用人ではないが、専任の宅建士であるDが、刑法第246条 (詐欺) の罪により懲役の刑に処せられたとき、このことを理由としてAの宅建免許が取り消されることはない。
× 宅建業者Aの取締役かつ宅建士であるEが、取引士の事務に関し1年間の事務禁止の処分を受けた場合で、Aの責めに帰すべき理由があるとき、情状のいかんにかかわらず、このことを理由としてAの宅建免許が取り消されることはない。

〔問32〕宅建業者A(甲県知事免許)が、その業務に関して広告をし、宅建業法第32条 (誇大広告等の禁止)の規定に違反し、又は違反している疑いがある場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aが同条の規定に違反した場合、甲県知事は、Aに対して業務の停止を命ずるとともに、実際に広告に関する事務を行った宅建士に対して必要な指示をすることができる。
× 乙県知事は、宅建業者Aが乙県の区域内における業務に関し同条の規定に違反している疑いがある場合、2週間以内にその旨を甲県知事に通知しなければならない。
× 宅建業者Aが同条の規定に違反した場合、甲県知事は、Aに対し、行政手続法の規定による意見陳述のための手続の区分に従い、弁明の機会を付与して、業務の停止を命ずることができる。
〇 宅建業者Aが乙県の区域内における業務に関し同条の規定に違反し、乙県知事から業務停止処分を受けた場合で、Aがその処分に違反したとき、甲県知事は、Aの免許を取り消さなければならない。

〔問33〕宅建業者A (法人) が甲県知事から免許を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aが、甲県の区域内の事務所を廃止し、乙県の区域内のみに事務所を設置して引き続き事業を営もうとする場合、Aは、乙県知事に対し免許換えの申請をし、乙県知事の免許を受けた後、甲県知事に廃業の届出をしなければならない。
〇 宅建業者Aの役員aが退職し、後任にbを充てた場合、当該役員の職が非常勤のものであっても、Aは、甲県知事に変更の届出をしなければならない。
× 宅建業者Aが甲県知事から業務の全部の停止を命じられた場合、Aは、免許の更新の申請を行っても、その停止の期間内には免許の更新を受けることはできない。
× 宅建業者AがB法人に吸収合併され消滅した場合、Bを代表する役員は、30日以内に、甲県知事にその旨の届出をしなければならない。

〔問34〕宅建業者Aが、建物の売買に関し広告をし、又は注文を受けた場合の取引態様の明示に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

〇 宅建業者Aは、取引態様の別を明示すべき義務に違反する広告をした場合、業務停止処分の対象になることがあり、情状が特に重いとき、免許を取り消される。
× 宅建業者Aは、取引態様の別を明示した広告を見た者から建物の売買に関する注文を受けた場合、注文を受けた際に改めて取引態様の別を明示する必要はない。
× 宅建業者Aは、建物の売買に関する注文を受けた場合、注文者に対して、必ず文書により取引態様の別を明示しなければならない。
× 宅建業者Aは、他の宅建業者から建物の売買に関する注文を受けた場合、取引態様の別を明示する必要はない。

〔問35〕次の事項のうち、指定流通機構への登録事項に該当しないものはどれか。

〇 登録に係る宅地の所在、規模及び形質
× 登録に係る宅地の所有者の氏名及び住所
〇 登録に係る宅地を売買すべき価額
〇 登録に係る宅地の都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの

〔問36〕宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBと宅地の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 売買契約の締結に際し、AがBから預り金の名義をもって50万円を受領しようとする場合で、当該預り金が売買代金に充当されないものであるとき、Aは、国土交通省令で定める保全措置を講じなければならない。
〇 売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を売買代金の額の2割と予定した場合には、違約金を定めることはできない。
× BがAの事務所で買受けの申込みをし、1週間後にBの自宅の近所の喫茶店で売買契約を締結した場合、Bは、当該契約を締結した日から8日以内であれば、宅建業法第37条の2の規定により契約を解除することができる。
× 売買契約でAの債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定した場合は、Aの宅地の不適合を担保すべき責任に関し、その宅地の引渡しの日から1年となる特約をすることができる。

〔問37〕宅建業者A (甲県知事免許) の営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、本店について1,000万円、支店1ヵ所について500万円の営業保証金を、それぞれの事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
× 宅建業者Aが免許を受けてから1月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合は、甲県知事から届出をすべき旨の催告を受け、さらに催告が到達した日から1月以内に届出をしないと免許を取り消されることがある。
× 宅建業者Aは、宅建業の開始後新たに1の支店を設置したときは、500万円の営業保証金を供託しなければならないが、この供託をした後であれば、その旨の届出をする前においても、当該支店における宅建業を行うことができる。
〇 宅建業者Aは、免許失効に伴う営業保証金の取戻しのため、Aとの宅建業に関する取引により生じた債権を有する者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。

〔問38〕宅建業者A (甲県知事免許) が宅建業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。) に加入しようとし、又は加入した場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

〇 宅建業者Aは、弁済業務保証金分担金を金銭をもって保証協会に納付しなければならないが、保証協会は、弁済業務保証金を国債証券その他一定の有価証券をもって供託所に供託することができる。
× 宅建業者Aと取引した者が複数ある場合で、これらの者からそれぞれ保証協会に対し認証の申出があったとき、保証協会は、これらの者の有する債権の発生の時期の順序に従って認証に係る事務を処理しなければならない。
× 宅建業者Aが保証協会に対して有する弁済業務保証金分担金の返還請求権を第三者Bが差し押さえ、転付命令を受けた場合で、その差押えの後に保証協会がAに対して還付充当金の支払請求権を取得したとき、保証協会は、弁済を受けるべき還付充当金相当額についても、Bに対して支払いを拒否できない。
× 宅建業者Aが、保証協会の社員の地位を失ったため、その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託した場合、Aは、その旨を甲県知事に届け出なければ、指示処分を受けることなく、直ちに業務停止処分を受けることがある。

〔問39〕宅建業者であるA及びBが、共同で宅地の売買の媒介をするため、協力して一の重要事項説明書 (宅建業法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面) を作成した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aの宅建士をa、Bの宅建士をbとする。

〇 AとBは、宅建士a一人を代表として、宅地の買主に対し重要事項説明書を交付して重要事項について説明させることができる。
× AとBは、重要事項について宅建士であるaとbに分担して説明させるときでも、aが単独で記名した重要事項説明書を交付させれば足りる。
〇 宅建士であるa及びbは、重要事項説明書を交付して説明する際に宅建士証を提示するとき、胸に着用する方法で行うことができる。
〇 重要事項説明書に記載された事項のうち、Aが調査及び記入を担当した事項の内容に誤りがあったとき、Aとともに、Bも指示処分を受けることがある。

〔問40〕A、B及びCが、宅建業に関して報酬を受領した場合に関する次の三つの記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものは、いくつあるか。なお、A、B及びCは、いずれも宅建業者である。

〇 消費税の課税業者であるAが、甲及び乙から依頼を受け、甲所有の価額2,400万円の宅地と乙所有の価額2,000万円の宅地を交換する契約を媒介して成立させ、甲及び乙からそれぞれ84万円の報酬を受領した。
× 消費税の免税業者であるBが、消費税の免税業者である丙から依頼を受け、借賃月額10万円、権利金(権利設定の対価として支払われる金銭で返還されないもの) 200万円で丙所有の店舗用建物の貸借契約を媒介して成立させ、丙から12万円の報酬を受領した。
〇 消費税の免税業者であるCが、消費税の課税業者である丁から依頼を受け、丁所有の価額2,000万円の宅地と価額1,760万円(消費税・地方消費税込み)の建物の売買契約を媒介して成立させ、丁から116万円の報酬を受領した。

〔問41〕宅建業者が建物の貸借の媒介を行う場合の宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 当該建物について建築基準法に基づき容積率又は建蔽率に関する制限があるときは、その概要について説明しなければならない。
× 敷金の授受の定めがあるときは、当該建物の借賃の額のほか、敷金の額及び授受の目的についても説明しなければならない。
〇 当該建物の貸借について、契約期間及び契約の更新に関する事項の定めがないときは、その旨説明しなければならない。
× 当該建物が、建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的である場合で、同条第4項に規定する共用部分に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容を説明しなければならない。

〔問42〕宅地の売買に関して宅建業者A (甲県知事免許) が行う広告に関する次の記述のうち,宅建業法の規定によれば,誤っているものはどれか。

〇 宅建業者Aは、実在しない宅地について広告をすることができず、また、宅地が実在しても実際に取引する意思がない宅地について広告をすることができない。
× 宅建業者AがBから宅地を購入するため交渉中であり、Aが購入後売主として売買するか、又は媒介してBの宅地を売買するか未定であるとき、Aは、取引態様の別を明示することなく、当該宅地の売買に関する広告をすることができる。
〇 宅建業者Aは、広告中の購入代金に関する融資のあっせんに関し、その融資の利息の利率についてアド・オン方式で表示したとき、その旨を明示したとしても、年利建ての実質金利を付記しなければ、広告をすることができない。 
〇 宅建業者Aが、宅建業法第33条に規定する広告の開始時期の制限に違反した場合、甲県知事は、Aに対して必要な指示をすることができ、Aがその指示に従わないとき業務停止処分をすることができる。

〔問43〕宅建業者Aが、宅地の所有者Bから定期借地権 (借地借家法第22条)の設定を受けてその宅地に建物を建築し、Bの承諾を得て定期借地権付きで建物をCに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、「37条書面」とは、宅建業法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。

× 宅建業者Aは、Cに対し、宅建士をして、建物の敷地に関する権利が定期借地権である旨を記載した37条書面を交付して説明をさせなければならない。
× 宅建業者Aは、当該契約を締結する時に建物の完成時期が確定していない場合でCの了解を得たとき、37条書面に建物の引渡しの時期を記載する必要はない。
× 宅建業者Aは、37条書面に、定期借地権の存続期間終了時における建物の取壊しに関する事項の内容を記載しなければならない。
〇 宅建業者Aは、宅建士をして37条書面に記名させなければならず、これに違反したときは、指示処分を受けるほか、罰金に処せられることがある。

〔問44〕Aが、甲県知事の宅建士資格登録(以下この問において「登録」という。)を受けている場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、B社及びC社は、いずれも宅建業者である。

× 宅建士Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。
× 宅建士Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、30日以内に、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。
× 宅建士Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、30日以内に、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。
〇 宅建士Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。

〔問45〕宅建業者Aが、Bの所有する宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 媒介契約が専任媒介契約以外の一般媒介契約である場合、宅建業者Aは、媒介契約を締結したときにBに対し交付すべき書面に、当該宅地の指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。
× 媒介契約が専任媒介契約 (専属専任媒介契約を除く。) である場合、宅建業者Aは、契約の相手方を探索するため、契約締結の日から5日 (休業日を除く。) 以内に、当該宅地につき所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
〇 媒介契約が専任媒介契約である場合で、指定流通機構への登録後当該宅地の売買の契約が成立したとき、宅建業者Aは、遅滞なく、登録番号、宅地の取引価格及び売買の契約の成立した年月日を当該指定流通機構に通知しなければならない。
× 媒介契約が専属専任媒介契約である場合で、当該契約に「宅建業者Aは、Bに対し業務の処理状況を10日ごとに報告しなければならない」旨の特約を定めたとき、その特約は有効である。


宅建合格!過去問活用法(宅建業法)

簡単なようで(実際に簡単ですが)柔軟な応用力を試されるのが宅建業法です。定番知識の簡単な問題に見えて、すごく細かいところをやらしくひっかけてきます。一番簡単で一番細かいところまで出題される科目と言えますので、多くの過去問に目を通して出題パターンを掴んでおいてください。

宅建業法は全てが重要です。 疎かにしていい箇所はありませんので逆に勉強しやすいと思います。通常の4択問題でしたら3肢の正誤が分かれば100%正解できますが、「正しいもの・誤っているものはいくつあるか」という個数問題が多い宅建業法で3肢しか分からないと、その問題の正解率は50%となってしまいます。全科目で完璧を求めるのは逆効果ですが、宅建業法は時間の許す限り完璧を目指してください。

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