ちょっと空いてる時間にサラッと眺めることができる、答えがすぐに分かる宅建過去問です。平成11年(1999年)の宅建業法過去問を見ていきます。
宅建過去問(平成11年)宅建業法
〔問30〕宅建業の免許に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
〇 Aが,用途地域内の自己所有の宅地を駐車場として整備し,その賃貸を業として行おうとする場合で,当該賃貸の契約を宅建業者の媒介により締結するとき,Aは宅建免許を受ける必要はない。
× Bが,用途地域内の自己所有の農地について,道路を設けて区画割をし,その売却を業として行おうとする場合,Bは宅建免許を受ける必要はない。
× Cが,甲県住宅供給公社が行う一団の建物の分譲について,その媒介を業として行おうとする場合,Cは宅建免許を受ける必要はない。
× Dが,宅建業を営もうとする場合において,Dが信託会社であるときは宅建免許を受ける必要があるが,Dが信託業務を兼営する銀行であるときは宅建免許を受ける必要はない。
〔問31〕宅地建物取引士 (以下「宅建士」という) Aが,甲県知事から宅地建物取引士証 (以下「宅建士証」という) の交付を受けている場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
× 宅建士Aが,乙県知事に対し宅建士資格登録の移転の申請とともに宅建士証の交付を申請したとき,Aは,乙県知事から新たな宅建士証の交付を受けた後,1週間以内に甲県知事に従前の宅建士証を返納しなければならない。
× 宅建士Aが,乙県の区域内における業務に関して乙県知事から事務禁止の処分を受けたとき,Aは,1週間以内に乙県知事に宅建士証を提出しなければならない。
× 宅建士Aが,宅建士証の有効期間の更新を受けようとするとき,Aは,甲県知事が指定する講習で有効期間満了の日前1年以内に行われるものを受講しなければならない。
〇 宅建士Aが,甲県の区域内における業務に関して事務禁止の処分を受け,甲県知事に宅建士証を提出した場合で,その処分の期間の満了後返還を請求したとき,甲県知事は,直ちに,宅建士証をAに返還しなければならない。
〔問32〕宅建業者A (甲県知事免許) に対する監督処分に関する次の記述のうち,宅建業法の規定によれば,誤っているものはどれか。
〇 宅建業者Aが,乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け,その指示に従わなかった場合,甲県知事は,Aに対し業務停止の処分をすることができる。
〇 宅建業者Aが,乙県の区域内の業務に関し甲県知事から指示を受け,その指示に従わなかった場合,乙県知事は,Aに対し業務停止の処分をすることができる。
× 宅建業者Aが,乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け,その指示に従わなかった場合で,情状が特に重いときには,国土交通大臣は,Aの免許を取り消すことができる。
〇 宅建業者Aが,乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受けた場合,甲県に備えられる宅建業者名簿には,その指示の年月日及び内容が記載される。
〔問33〕宅建業者Aが,自ら売主として,宅建業者でない買主Bと締結した宅地の売買契約 (代金4,000万円,手付金400万円) に関する次の記述のうち,宅建業法及び民法の規定によれば,正しいものはどれか。
× 契約に 「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは,Bは手付金400万円を放棄して,Aは1,000万円を償還して,契約を解除することができる」 旨定めた場合,その定めは無効である。
× 契約に 「Aが契約不適合責任を負う場合,Bは,損害賠償の請求をすることができるが,契約の解除ができるのは不適合により契約をした目的を達成できないときに限る」 旨定めた場合,その定めは無効である。
× 契約に 「Aは,宅地の引渡しの日から2年間契約不適合責任を負うが,Bが知っていた不適合についてはその責任を負わない」 旨定めた場合,その定めは無効である。
〇 契約に 「債務不履行による契約の解除に伴う損害賠償額の予定及び違約金の合計額を代金の額の3割とする」 旨定めた場合,その定めは,当該合計額につき800万円を超える部分については,無効である。
〔問34〕宅建業者Aが,自ら売主として,宅建業者でないBと土地付建物の売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち,宅建業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,この問において 「重要事項説明書」 とは,宅建業法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面をいうものとする。
× 当該建物の敷地の一部に甲市所有の旧道路敷が含まれていることが判明したため,甲市に払下げを申請中である場合,宅建業者Aは,重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し,その旨をBに説明すれば,売買契約を締結することができる。
× Bが,当該建物の近所に長年住んでおり,その建物に関する事項を熱知していると言っている場合,宅建業者Aは,Bに対して重要事項説明書を交付すれば,重要事項の説明を行うことなく,売買契約を締結することができる。
× 損害賠償額の予定及び違約金について,Bから提示された内容のとおりとする場合,宅建業者Aは,重要事項説明書に記載してその内容を説明することなく,売買契約を締結することができる。
〇 宅建業者Aが,遠隔地に住んでいるBの了承を得て,「Bが希望する時期に説明をする」 旨の条件付きで重要事項説明書を郵送した場合で,Bから希望する時期を明示されないときでも,Aは,重要事項の説明を行った後に限り,売買契約を締結することができる。
〔問35〕宅建業者が,その媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合に,宅建業法第37条の規定に基づく契約内容を記載した書面に必ず記載しなければならない事項は,次のうちどれか。
× 借賃についての融資のあっせんに関する定めがあるときは,当該融資が成立しないときの措置
〇 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは,その内容
× 当該建物の契約不適合責任についての定めがあるときは,その内容
× 当該建物に係る租税等の公課の負担に関する定めがあるときは,その内容
〔問36〕宅建業者A及びその従業者である宅建士に関する次の記述のうち,宅建業法の規定によれば,正しいものはどれか。
× 宅建業法第34条の2の規定に基づき宅建業者Aが媒介契約の依頼者に交付すべき書面には,宅建士の記名押印が必要である。
〇 宅建業者Aが,宅建士をして宅建業法第37条に規定する契約内容を記載した書面を相手方に交付させる場合には,宅建士は,当該相手方から請求があったときに宅建士証を提示すれば足りる。
× 宅建業者Aが,建物の売買の媒介についてその依頼者から国土交通大臣が定めた報酬の限度額の報酬を受けた場合でも,宅建士は,別途当該依頼者から媒介の報酬を受けることができる。
× 宅建業者Aは,一団の建物の分譲をするため案内所を設置した場合は,その案内所で契約を締結することなく,及び契約の申込みを受けることがないときでも,1名以上の専任の宅建士を置かなければならない。
〔問37〕宅建業者Aが,Bから宅地の売却の依頼を受け,Bと専属専任媒介契約 (以下この問において「媒介契約」という) を締結した場合に関する次の記述のうち,宅建業法の規定によれば,正しいものはどれか。
× 「媒介契約の有効期間内に宅地の売買契約が成立しないときは,同一の期間で契約を自動更新する」旨の特約を定めた場合,媒介契約全体が無効となる。
× 宅地の買主の探索が容易で,指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができると認められる場合には,宅建業者Aは,契約の相手方を探索するため,当該宅地について指定流通機構に登録する必要はない。
〇 Bが宅建業者である場合でも,宅建業者Aが媒介契約を締結したときにBに交付すべき書面には,BがAの探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければならない。
× 媒介契約において,「Bが他の宅建業者の媒介によって宅地の売買契約を成立させた場合,宅地の売買価額の3%の額を違約金としてAに支払う」旨の特約は,無効である。
〔問38〕宅建業者 A(甲県知事免許) の営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
× 宅建業者Aが有価証券を営業保証金に充てるときは,国債証券についてはその額面金額を,地方債証券又はそれら以外の債券についてはその額面金額の百分の九十を有価証券の価額としなければならない。
〇 宅建業者Aは,取引の相手方の権利の実行により営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなったときは,甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。
× 宅建業者Aが販売する宅地建物についての販売広告を受託した者は,その広告代金債権に関し,Aが供託した営業保証金について弁済を受ける権利を有する。
× 宅建業者Aが,営業保証金を金銭と有価証券で供託している場合で,本店を移転したためもよりの供託所が変更したとき,Aは,金銭の部分に限り,移転後の本店のもよりの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
〔問39〕宅建業者Aが,宅地の所有者Bからその宅地の売買の媒介を依頼され,媒介契約を締結した場合の指定流通機構への登録に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
× AB間の媒介契約が専任媒介契約でない場合,宅建業者Aは,契約の相手方を探索するため,当該宅地について指定流通機構に登録することはできない。
× AB間の媒介契約が専属専任媒介契約である場合,宅建業者Aは,契約締結の日から3日 (休業日を除く) 以内に,契約の相手方を探索するため,当該宅地について指定流通機構に登録しなければならない。
〇 AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合で,宅建業者Aが,当該宅地について指定流通機構に登録をし,当該登録を証する書面の発行を受けたとき,Aは,その書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。(電子交付可)
× AB間の媒介契約が専属専任媒介契約である場合で,宅建業者Aが所定の期間内に指定流通機構に登録をしなかったとき,Aは,そのことを理由として直ちに罰則の適用を受けることがある。
〔問40〕宅建業者Aが,自ら売主として,建物を販売する場合に関する次の記述のうち,宅建業法の規定に違反しないものはどれか。
× 宅建業者Aは,建物を新築するため建築確認の申請中であったので, 「建築確認申請済」 と表示して,その建物の販売に関する広告を行い,販売の契約は建築確認を受けた後に締結した。
× 宅建業者Aが,建物を新築するため建築確認の申請中であったので,宅建業者Bに対し,その建物を販売する契約の予約を締結した。
〇 宅建業者Aは,中古の建物を,その所有者Cから停止条件付きで取得する契約を締結し,当該条件の未成就のまま,その建物を宅建業者Dに対し販売する契約を締結した。
× 宅建業者Aは,都道府県知事から業務の全部の停止を命じられ,その停止の期間中に建物の販売に関する広告を行ったが,販売の契約は当該期間の経過後に締結した。
〔問41〕1棟の建物に属する区分所有建物の貸借の媒介を行う場合の宅建業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
× 当該1棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容を説明しなければならない。
〇 台所,浴室,便所その他の当該区分所有建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。
〇 当該1棟の建物及びその敷地の管理がA (個人) に委託されている場合には,Aの氏名及び住所を説明しなければならない。
〇 貸借契約終了時における敷金その他の金銭の精算に関する事項が定まっていない場合には,その旨を説明しなければならない。
〔問42〕宅建業者Aが,宅地の所有者Bの依頼を受けてBC間の宅地の売買の媒介を行おうとし,又は行った場合に関する次の記述のうち,宅建業法第47条(業務に関する禁止事項)の規定に違反しないものはどれか。
× 宅建業者Aは,Bとの媒介契約の締結に当たり不当に高額の報酬を要求したが,BC間の売買契約が成立した後に実際にAがBから受領した報酬額は,国土交通大臣が定めた報酬額の限度内であった。
× 宅建業者Aは,Cに対し手付を貸し付けるという条件で,BC間の売買契約の締結を誘引したが,Cは,その契約の締結に応じなかった。
× 宅建業者Aは,当該宅地に対抗力のある借地権を有する第三者が存在することを知っていたが,当該借地権は登記されていなかったので,Cに対して告げることなく,BC間の売買契約を締結させた。
〇 宅建業者Aは,B及びCに対し,手付金について当初Bが提示した金額より減額するという条件でBC間の売買契約の締結を誘引し,その契約を締結させた。
〔問43〕宅建業法に規定する標識に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
〇 複数の宅建業者が,業務に関し展示会を共同で実施する場合,その実施の場所に,すべての宅建業者が自己の標識を掲示しなければならない。
× 宅建業者は,一団の宅地の分譲を行う案内所で契約の締結を行わない場合,その案内所には標識を掲示しなくてもよい。
× 宅建業者は,一団の建物の分譲を,当該建物の所在する場所から約800m離れた駅前に案内所を設置して行う場合で,当該建物の所在する場所に標識を掲示したとき,案内所には標識を掲示する必要はない。
× 宅建業者の標識の様式及び記載事項は,その掲示する場所が契約の締結を行う案内所であれば,事務所と同一でなければならない。
〔問44〕宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
× 保証協会に加入しようとする者は,加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならないが,加入に際して,加入前の宅建業に関する取引により生じたその者の債務に関し,保証協会から担保の提供を求められることはない。
× 弁済業務保証金の還付を受けようとする者は,保証協会の認証を受けなければならず,認証申出書の提出に当たっては,弁済を受ける権利を有することを証する確定判決の正本を必ず添付しなければならない。
× 保証協会は,弁済業務保証金の還付があった場合は,当該還付に係る社員又は社員であった者に対し,その還付額に相当する額の還付充当金を法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に納付すべきことを通知しなければならない。
〇 保証協会は,社員に対して債権を有する場合は,当該社員が社員の地位を失ったときでも,その債権に関し弁済が完了するまで弁済業務保証金分担金をその者に返還する必要はない。
〔問45〕宅建業者Aの宅建士Bが,甲県知事の宅建士資格試験に合格し,同知事の宅建士資格登録 (以下この問において「登録」という) を受けている場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
× 宅建士Bが甲県から乙県に転居しようとする場合,Bは,転居を理由として乙県知事に登録の移転を申請することができる。
× 宅建士Bが事務禁止の処分を受けている間は,宅建業者Aの商号に変更があった場合でも,Bは,変更の登録の申請を行うことはできない。
〇 宅建士Bは,乙県知事への登録の移転を受けなくても,乙県に所在する宅建業者Aの事務所において専任の宅建士となることができる。
× 宅建士Bが乙県知事への登録の移転を受けた後,乙県知事に登録を消除され,再度登録を受けようとする場合,Bは,乙県知事に登録の申請をすることができる。
宅建合格!過去問活用法(宅建業法)
簡単なようで(実際に簡単ですが)柔軟な応用力を試されるのが宅建業法です。定番知識の簡単な問題に見えて、すごく細かいところをやらしくひっかけてきます。一番簡単で一番細かいところまで出題される科目と言えますので、多くの過去問に目を通して出題パターンを掴んでおいてください。
宅建業法は全てが重要です。 疎かにしていい箇所はありませんので逆に勉強しやすいと思います。通常の4択問題でしたら3肢の正誤が分かれば100%正解できますが、「正しいもの・誤っているものはいくつあるか」という個数問題が多い宅建業法で3肢しか分からないと、その問題の正解率は50%となってしまいます。全科目で完璧を求めるのは逆効果ですが、宅建業法は時間の許す限り完璧を目指してください。