ちょっと空いてる時間にサラッと眺めることができる、答えがすぐに分かる宅建過去問です。平成17年(2005年)の宅建業法過去問を見ていきます。

宅建過去問(平成17年)宅建業法

【問30】宅建業の免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

〇 Aの所有するオフィスビルを賃借しているBが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、AとBは宅建免許を受ける必要はない。
× 建設業の許可を受けているCが、建築請負契約に付随して、不特定多数の者に建物の敷地の売買を反復継続してあっせんする場合、Cは宅建免許を受ける必要はない。
× Dが共有会員制のリゾートクラブ会員権 (宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有するもの) の売買の媒介を不特定多数の者に反復継続して行う場合、Dは宅建免許を受ける必要はない。
× 宅建業者であるE (個人) が死亡し、その相続人FがEの所有していた土地を20区画に区画割し、不特定多数の者に宅地として分譲する場合、Fは宅建免許を受ける必要はない。

【問31】宅建業の免許に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者A社は、取締役が道路交通法に違反し、懲役1年執行猶予3年の刑に処せられたため、宅建免許の取消処分を受けた。Bが取締役を退任した後、A社は改めて宅建免許の申請をしてもBの執行猶予期間が経過するまで宅建免許を受けることができない。
× C社の取締役が刑法第198条 (贈賄) の罪により罰金の刑に処せられ、その執行を終えてから3年を経過した場合であっても、C社は宅建免許を受けることができない。
× D社の取締役が、刑法第204条 (傷害) の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた場合、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく、かつ猶予期間の満了の日から5年を経過しなければ、D社は宅建免許を受けることができない。
〇 甲県知事の宅建免許を受けているE社の取締役Fが、刑法第208条 (暴行) の罪により罰金の刑に処せられた場合、E社の宅建免許は取り消される。

【問32】宅建業法に規定する宅建士に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

〇 都道府県知事は、その登録を受けている宅建士が、他人に自己の名義の使用を許し、その他人がその名義を使用して宅建士である旨の表示をしたとき、当該宅建士に対し、必要な指示をすることができる。
× 宅建業者は、10戸以上の一団の建物の分譲について案内所を設置して行う場合、その案内所において業務に従事する者の数に対する宅建士の数の割合が1/5以上の成年者である専任の宅建士を置かなければならない。
× 宅建業者の従業者である宅建士は、本人の同意がある場合を除き、正当な理由がある場合でも、宅建業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
× 宅建士Aは、甲県知事から事務の禁止の処分を受け、宅建士証を甲県知事に提出したが、禁止処分の期間が満了した場合は、返還の請求がなくても、甲県知事は、直ちに宅建士証をAに返還しなければならない。

【問33】宅建業者A (甲県知事免許) の営業保証金に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、甲県の区域内に新たに二つの支店を設け宅建業を営もうとする場合、額面金額1,000万円の地方債証券を供託して営業保証金に充てれば足りる。
× 家主Bは、居住用建物の賃貸の管理委託契約を宅建業者Aと締結していたが、Aが借主から収受した家賃を約束期日が過ぎてもBに支払わなかった。この場合、Bは、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
× 印刷業者Cは、宅建業者Aが行う宅地建物の売買に関する広告の印刷依頼を受け、印刷物を作成し納品したが、AがCに対しその代金を支払わなかった。この場合、Cは、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
〇 宅建業者Aは、買主Dに対し、土地付建物の売買契約を締結する前に、営業保証金を供託した主たる事務所のもよりの供託所及びその所在地について説明するようにしなければならない。

【問34】宅建業者Aが行う広告に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、取引様態の別を明示しなければならないが、取引の相手方に対し、取引様態の別が明らかである場合は明示する必要はない。
× 宅建業者Aは、宅地造成工事規制区域内における宅地造成工事の許可が必要とされる場合において、当該宅地の売買に関する広告は、宅地造成等規制法第12条に規定する宅地造成工事の完了検査を受けた後でなければしてはならない。
〇 宅建業者Aは、建物の売買の広告に当たり、当該建物の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした。当該建物に関する注文はなく、取引が成立しなかった場合であっても、Aは監督処分及び罰則の対象となる。
× 宅建業者Aは、建物の貸借の媒介に当たり、依頼者の依頼に基づいて広告をした。Aは報酬とは別に、依頼者に対しその広告料金を請求することができない。

【問35】宅建業者Aが自ら売主となって宅地建物の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反するものはどれか。なお、この問において、AとC以外の者は宅建業者ではないものとする。

〇 Bの所有する宅地について、BとCが売買契約を締結し、所有権の移転登記がなされる前に、Cは宅建業者Aに転売し、Aは更にDに転売した。
〇 宅建業者Aの所有する土地付建物について、Eが賃借していたが、Aは当該土地付建物を停止条件付でFに売却した。
〇 Gの所有する宅地について、宅建業者AはGとの売買契約の予約をし、Aは当該宅地をHに転売した。
× I の所有する宅地について、宅建業者Aは I と停止条件付で取得する売買契約を締結し、その条件が成就する前に当該物件についてJと売買契約を締結した。

【問36】宅建業者Aが、B所有の宅地の売却の媒介依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法によれば、正しいものはいくつあるか。

× Bの申出により、契約の有効期間を6月と定めた専任媒介契約を締結した場合、その契約はすべて無効である。
× 宅建業者AとBの間で専属専任媒介契約を締結した場合、AはBに対し、当該契約の業務の処理状況を2週間1回以上報告しなければならない。
〇 宅建業者AとBの間で専属専任媒介契約を締結した場合、Bは、Aが探索した相手方以外の者と売買契約を締結することができない。

【問37】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

〇 宅地の売買の媒介において、当該宅地に係る移転登記の申請の予定時期については、説明しなくてもよい。
〇 宅地の売買の媒介において、当該宅地が造成に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造並びに宅地に接する道路の構造及び幅員を説明しなければならない。
× 宅地の売買の媒介において、天災その他不可抗力による損害の負担を定めようする場合は、その内容を説明しなければならない。
〇 宅地の貸借の媒介において、借地借家法第22条で定める定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければならない。

【問38】宅建業者がマンションの一室の貸借の媒介を行う場合、宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 当該マンションの管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名 (法人にあっては、その商号又は名称)、住所 (法人にあっては、その主たる事務所の所在地) 及び委託された業務の内容を説明しなければならない。
× 建築基準法に規定する容積率及び建蔽率に関する制限があるときは、その制限内容を説明しなければならない。
〇 建物の区分所有法等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。
× 敷金の授受の定めがあるときは、その敷金の額、契約終了時の敷金の精算に関する事項及び金銭の保管方法を説明しなければならない。

【問39】売主A、買主Bの間の宅地の売買について宅建業者Cが媒介をした場合の次の記述のうち、宅建業法に違反しないものはどれか。

× Cは、宅建士をして宅建業法第35条に基づく重要事項の説明 (以下この問において 「重要事項」 という。) を行わせたが、AとBの同意があったため、宅建業法第37条の規定に基づく契約内容を記載した書面 (以下この問において 「契約書面」 という。) を交付しなかった。
× Cの従業者である宅建士がBに対して重要事項説明を行う際に、Bから請求がなかったので、宅建士証を提示せず重要事項説明を行った。
〇 Cは、AとBの契約が成立したので、宅建士に記名させ、AとBに対して契約書面を交付したが、両者に対して書面に記載された事項を説明しなかった。
× AとBどちらからも、早く契約したいとの意思表示があったため、Cは契約締結後に重要事項説明をする旨AとBの了解を得た後に契約を締結させ、契約書面を交付した。

【問40】宅建業法第37条の規定に基づく契約を証する書面 (以下この問において 「契約書面」 という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

〇 居住用建物の賃貸借契約において、貸主と借主にそれぞれ別の宅建業者が媒介するときは、どちらか一方の宅建業者が契約書面を作成したとしても、契約書面の交付については双方の宅建業者がその義務を負う。
〇 宅建業者が土地売買における売主の代理として契約書面を作成するに当たっては、専任でない宅建士が記名押印してもよい。
× 居住用建物の賃貸借契約において、貸主には代理の宅建業者Aが、借主には媒介の宅建業者Bがおり、Bが契約書面を作成したときは、借主及びAに契約書面を交付すればよい。
〇 貸主である宅建業者Cが、宅建業者Dの媒介により借主と事業用建物の賃貸借契約を締結するに当たって、Dが作成・交付した契約書面に宅建業法第37条違反があった。この場合、Dのみが監督処分及び罰則の対象となる。

【問41】宅建業者Aが自ら売主として宅建業者でない買主Bと土地付建物の売買契約を締結した場合における、宅建業法 第37条の2の規定による売買契約の解除に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

〇 Bが宅建業者Aのモデルルームにおいて買受けの申込みをし、Bの自宅周辺の喫茶店で売買契約を締結した場合は、Bは売買契約を解除することができない。
〇 Bが宅建業者Aの事務所において買受けの申込をした場合は、売買契約を締結した場所がAの事務所であるか否かにかかわらず、Bは売買契約を解除することができない。
× Bがホテルのロビーにおいて買受けの申込をし、当該場所において売買契約を締結した場合、既に当該土地付建物の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払った場合でも、宅建業者Aが宅建業法第37条の2に規定する内容について書面で説明していないときは、Bは当該契約を解除することができる。
〇 Bがレストランにおいて買受けの申込をし、当該場所において売買契約を締結した場合、宅建業者Aが宅建業法第37条の2に規定する内容について書面で説明し、その説明の日から起算して8日を経過した場合は、Bは当該契約を解除することができない。

【問42】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者でないBに宅地 (造成工事完了済み) を分譲する場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。なお、当該宅地の分譲価額は4,000万円とする。

〇 宅建業者Aは、手付金として400万円をBから受領したが、保全措置を講じなかった。
× 宅建業者Aは、手付金100万円をBから受領した後、中間金として600万円を受領したが、中間金600万円についてのみ保全措置を講じた。
× 宅建業者AとBは、「契約不適合責任を負うべき期間は、当該物件の売買契約を締結してから2年間とする」旨の特約を定めた。
× 宅建業者AとBは、「宅地に契約不適合があった場合でも、その不適合がAの責めに帰すものでないときは、Aは担保責任を負わない」旨の特約を定めた。

【問43】宅建業者Aが自ら売主としてマンション (販売価額3,000万円) の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法及び宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、宅建業者であるBとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,200万円とする特約を定めた。この特約は無効である。
× 宅建業者Aは、宅建業者でないCとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,200万円とする特約を定めることができる。
〇 宅建業者Aは、宅建業者であるDとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額の定めをしなかった場合、実際に生じた損害額1,000万円を立証により請求することができる。
× 宅建業者Aは、宅建業者でないEとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を600万円、それとは別に違約金を600万円とする特約を定めた。これらの特約はすべて無効である。

【問44】宅建業者A (消費税納税事業者) が、B所有の居住用建物について、媒介により貸主Bと借主Cとの賃貸借契約を成立させた場合について、Aが受けることのできる報酬額について、誤っているものはどれか。なお、建物の1月分の借賃は9万円とする。

× 宅建業者Aは、BとCの承諾を得たときは、Bから99,000円、Cから99,000円を受領できる。
〇 宅建業者Aは、Bの承諾を得たときは、Bのみから99,000円を受領できる。
〇 宅建業者Aは、Bから49,500円、Cから49,500円を受領できる。
〇 宅建業者Aは、Bの承諾を得たときは、Bから70,000円、Cから29,000円を受領できる。

【問45】宅建業者Aが宅建業保証協会 (以下この問において 「保証協会」 という。) に加入した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aが保証協会に加入する前に、Aと宅建業に関し取引をした者は、弁済業務保証金について弁済を受けることができない。
× 宅建業者Aは保証協会に加入した後に新たに事務所を開設したときは、その日から2週間以内に、営業保証金500万円を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
〇 宅建業者Aがその一部の事務所を廃止したため、保証協会が弁済業務保証金分担金をAに返還しようとするときは、保証協会は、弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨の公告を行う必要はない。
× 宅建業者Aが、保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しない場合、保証協会は納付すべき旨の催告をしなければならず、催告が到達した日から1月以内にAが納付しない場合は、Aは社員としての地位を失う。


宅建合格!過去問活用法(宅建業法)

簡単なようで(実際に簡単ですが)柔軟な応用力を試されるのが宅建業法です。定番知識の簡単な問題に見えて、すごく細かいところをやらしくひっかけてきます。一番簡単で一番細かいところまで出題される科目と言えますので、多くの過去問に目を通して出題パターンを掴んでおいてください。

宅建業法は全てが重要です。 疎かにしていい箇所はありませんので逆に勉強しやすいと思います。通常の4択問題でしたら3肢の正誤が分かれば100%正解できますが、「正しいもの・誤っているものはいくつあるか」という個数問題が多い宅建業法で3肢しか分からないと、その問題の正解率は50%となってしまいます。全科目で完璧を求めるのは逆効果ですが、宅建業法は時間の許す限り完璧を目指してください。

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