ちょっと空いてる時間にサラッと眺めることができる、答えがすぐに分かる宅建過去問です。平成19年(2007年)の宅建業法過去問を見ていきます。

宅建過去問(平成19年)宅建業法

【問 30】宅建士の設置に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、1棟100戸のマンションを分譲するために案内所を設置し、当該案内所においては売買契約の申込みの受付のみを行うこととした。この場合、Aは、当該案内所に成年者である専任の宅建士を置く必要はない。
〇 宅建業者B(甲県知事免許)は、その事務所において、成年者である宅建士Cを新たに専任の宅建士として置いた。この場合、Bは、30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
× 宅建業者Dは、その事務所の専任の宅建士Eが3か月間入院したため、宅建業法第15条に規定する専任の宅建士の設置要件を欠くこととなったが、その間、同条の規定に適合させるために必要な措置を執らなかった。この場合、Dは指示処分の対象になるが、業務停止処分の対象にはならない。
× 宅建業者である法人Fの取締役Gは宅建士であり、本店において専ら宅建業に関する業務に従事している。この場合、Fは、Gを本店の専任の宅建士の数のうちに算入することはできない。

【問 31】宅建士登録及び宅地建物取引士証(以下この問において「宅建士証」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 甲県知事の宅建士登録を受けて、甲県に所在する宅建業者Aの事務所の業務に従事する者が、乙県に所在するAの事務所の業務に従事することとなったときは、速やかに、甲県知事を経由して、乙県知事に対して宅建士登録の移転の申請をしなければならない。
〇 宅建士登録を受けている者で宅建士証の交付を受けていない者が重要事項説明を行い、その情状が特に重いと認められる場合は、当該登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまでは、再び宅建士登録を受けることができない。
× 丙県知事から宅建士証の交付を受けている宅建士が、宅建士証の有効期間の更新を受けようとするときは、丙県知事に申請し、その申請前6月以内に行われる国土交通大臣の指定する講習を受講しなければならない。
× 丁県知事から宅建士証の交付を受けている宅建士が、宅建士証の亡失によりその再交付を受けた後において、亡失した宅建士証を発見したときは、速やかに、再交付された宅建士証をその交付を受けた丁県知事に返納しなければならない。

【問 32】宅建業の免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

× Aが、競売により取得した宅地を10区画に分割し、宅建業者に販売代理を依頼して、不特定多数の者に分譲する場合、Aは宅建免許を受ける必要はない。
〇 Bが、自己所有の宅地に自ら貸主となる賃貸マンションを建設し、借主の募集及び契約をCに、当該マンションの管理業務をDに委託する場合、Cは宅建免許を受ける必要があるが、BとDは宅建免許を受ける必要はない。
× 破産管財人が、破産財団の換価のために自ら売主となって、宅地又は建物の売却を反復継続して行い、その媒介をEに依頼する場合、Eは宅建免許を受ける必要はない。
× 不特定多数の者に対し、建設業者Fが、建物の建設工事を請け負うことを前提に、当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続してあっせんする場合、Fは宅建免許を受ける必要はない。

【問 33】宅建業の免許に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 甲県に本店を、乙県に支店をそれぞれ有するA社が、乙県の支店でのみ宅建業を営もうとするときは、A社は、乙県知事の宅建免許を受けなければならない。
× 宅建業者B社の取締役が、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合、B社の宅建免許は取り消される。
〇 宅建業者C社が業務停止処分に違反したとして、宅建免許を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない場合、C社は宅建免許を受けることができない。
× D社の取締役が、かつて破産宣告を受けたことがある場合で、復権を得てから5年を経過しないとき、D社は宅建免許を受けることができない。

【問 34】宅建業者Aが、自ら売主となって宅建業者でない買主Bに建築工事完了前のマンションを1億円で販売する場合において、AがBから受領する手付金等に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において「保全措置」とは、同法第41条第1項の規定による手付金等の保全措置をいう。

× 宅建業者Aが当該マンションの売買契約締結時に、手付金として500万円をBから受領している場合において、Bが契約の履行に着手していないときは、Aは、Bに500万円を償還すれば、当該売買契約を解除することができる。
〇 宅建業者AがBから手付金として1,500万円を受領するに当たって保全措置を講ずる場合、Aは、当該マンションの売買契約を締結するまでの間に、Bに対して、当該保全措置の概要を説明しなければならない。
〇 宅建業者AがBから手付金として1,500万円を受領しようとする場合において、当該マンションについてBへの所有権移転の登記がされたときは、Aは、保全措置を講じなくてもよい。
〇 宅建業者Aが1,000万円の手付金について銀行との間に保全措置を講じている場合において、Aが資金調達に困り工事請負代金を支払うことができず、当該マンションの引渡しが不可能となったときは、Bは、手付金の全額の返還を当該銀行に請求することができる。

【問 35】宅建業者が宅建業法第35条に規定する重要事項について説明する場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。

× 建物の貸借の媒介において、当該建物について石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されているときは、その旨を借主に説明しなくてもよい。
〇 建物の貸借の媒介において、当該建物が宅地造成等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を借主に説明しなければならない。
× 平成19年10月に新築の工事に着手した建物の売買において、当該建物が指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を買主に説明しなければならない。
× 宅地の売買の媒介において、当該宅地の不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結等の措置を講じないときは、その旨を買主に説明しなくてもよい。

【問 36】法人である宅建業者A(甲県知事免許)に関する監督処分及び罰則に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

〇 宅建業者Aが、建物の売買において、当該建物の将来の利用の制限について著しく事実と異なる内容の広告をした場合、Aは、甲県知事から指示処分を受けることがあり、その指示に従わなかったときは、業務停止処分を受けることがある。
× 宅建業者Aが、乙県内で行う建物の売買に関し、取引の関係者に損害を与えるおそれが大であるときは、Aは、甲県知事から指示処分を受けることはあるが、乙県知事から指示処分を受けることはない。
〇 宅建業者Aが、正当な理由なく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他人に漏らした場合、Aは、甲県知事から業務停止処分を受けることがあるほか、罰則の適用を受けることもある。
〇 宅建業者Aの従業者Bが、建物の売買の契約の締結について勧誘をするに際し、当該建物の利用の制限に関する事項で買主の判断に重要な影響を及ぼすものを故意に告げなかった場合、Aに対して1億円以下の罰金刑が科せられることがある。

【問 37】宅建業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、Aは、甲県内に本店と一つの支店を設置して事業を営んでいるものとする。

〇 宅建業者Aが販売する新築分譲マンションの広告を受託した広告代理店は、その広告代金債権に関し、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有しない。
〇 宅建業者Aは、免許の有効期間の満了に伴い、営業保証金の取戻しをするための公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
× 宅建業者Aは、マンション3棟を分譲するための現地出張所を甲県内に設置した場合、営業保証金を追加して供託しなければ、当該出張所でマンションの売買契約を締結することはできない。
〇 宅建業者Aの支店でAと宅建業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,500万円を限度として、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。

【問 38】宅建業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、実在しない宅地について広告又は虚偽の表示を行ってはならないが、実在する宅地については、実際に販売する意思がなくても、当該宅地の広告の表示に誤りがなければ、その広告を行うことができる。
〇 宅建業者Aは、新築分譲マンションを建築工事の完了前に売却する場合、建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において、当該マンションの売買の広告及び売買契約の締結のいずれもすることはできない。
× 都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について、Bが開発行為を行い貸主として貸借をしようとする場合、宅建業者Aは、Bがその許可を受ける前であっても、Bの依頼により当該宅地の貸借の広告をすることができるが、当該宅地の貸借の媒介をすることはできない。
× 宅建業者Aは、都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について開発行為を行いCに売却する場合、Cが宅地建物取引業者であれば、その許可を受ける前であっても当該宅地の売買の予約を締結することができる。

【問 39】宅建業者Aは、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

〇 宅建業者Aは、Bとの間に媒介契約を締結したときは、当該契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、宅建業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。
〇 宅建業者Aは、Bとの間で媒介契約を締結し、Bに対して当該宅地を売却すべき価額又はその評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
〇 宅建業者Aは、Bとの間に専属専任媒介契約を締結したときは、当該契約の締結の日から5日以内(休業日を除く。)に、所定の事項を当該宅地の所在地を含む地域を対象として登録業務を現に行っている指定流通機構に登録しなければならない。
× 宅建業者Aは、Bとの間で有効期間を2か月とする専任媒介契約を締結する際、「Bが媒介契約を更新する旨を申し出ない場合は、有効期間満了により自動更新するものとする」旨の特約を定めることができる。

【問 40】宅建業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、35条書面とは、宅建業法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面を、37条書面とは、宅建業法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。

× 宅建業者Aは、35条書面及び37条書面のいずれの交付に際しても、宅建士をして、当該書面への記名及びその内容の説明をさせなければならない。
× Bが宅建業者でその承諾がある場合、宅建業者Aは、Bに対し、35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。
× Cが宅建業者でその承諾がある場合、宅建業者Aは、Cに対し、35条書面の交付を省略することができるが、37条書面の交付を省略することはできない。
〇 宅建業者Aが、宅建業者Dと共同で媒介を行う場合、35条書面にAが調査して記入した内容に誤りがあったときは、Aだけでなく、Dも業務停止処分を受けることがある。

【問 41】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBと建物の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

〇 宅建業者Aは、自己の所有に属しない建物を売買する場合、Aが当該建物を取得する契約を締結している場合であっても、その契約が停止条件付きであるときは、当該建物の売買契約を締結してはならない。
× 売買契約の締結に際し、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める場合において、これらを合算した額が売買代金の2割を超える特約をしたときは、その特約はすべて無効となる。
× 「建物に契約不適合があった場合、その不適合が宅建業者Aの責に帰すことのできるものでないときは、Aは契約不適合責任を負わない」とする特約は有効である。
× Bがホテルのロビーで買受けの申込みをし、3日後にBの自宅で売買契約を締結した場合、Bは、当該建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払っているときでも、当該売買契約の解除をすることができる。

【問 42】宅建業者A(消費税課税事業者)は、B所有の建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とする定期借家契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、1か月分の借賃は13万円、保証金(Cの退去時にCに全額返還されるものとする。)は300万円とする。

× 建物が店舗用である場合、宅建業者AがCから受け取ることができる報酬の限度額は、154,000円である。
× 宅建業者Aは、媒介報酬の限度額のほかに、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、Bから受け取ることができる。
〇 建物が居住用である場合、宅建業者AがB及びCから受け取ることができる報酬の限度額は、B及びCの承諾を得ているときを除き、それぞれ71,500円である。
× 定期借家契約の契約期間が終了した直後に、宅建業者AがBC間の定期借家契約の再契約を成立させた場合にAが受け取る報酬については、宅建業法の規定は適用されない。

【問 43】次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 宅建業者Aは、都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地の造成工事着手前において、当該許可を受けていない場合であっても、当該許可を受けることを停止条件とする特約を付ければ、当該宅地の売買契約を締結することができる。
〇 宅建業者Bが自ら売主となって、宅建業者でないCと1億円のマンションの売買契約(手付金1,500万円、中間金1,500万円、残代金7,000万円)を建築工事完了前に締結し、その引渡し及び登記の移転を残代金の支払と同時に行う場合、Bは、手付金の受領前及び中間金の受領前それぞれについて、保全措置を講じなければならない。
× 宅建業者Dは、取引態様の明示がある広告を見た宅建業者Eから建物の売買の注文を受けた場合、Eから取引態様の問い合わせがなければ、Eに対して、取引態様を明示する必要はない。
× 宅建業者Fが自ら売主となって、宅建業者でないGと宅地の売買契約を締結するに際して手付金を受領する場合において、その手付金が解約手付である旨の定めがないときは、Fが契約の履行に着手していなくても、Gは手付金を放棄して契約の解除をすることができない。

【問 44】宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

〇 保証協会に加入することは宅建業者の任意であるが、一の保証協会の社員となった後に、重ねて他の保証協会の社員となることはできない。
× 宅建業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
× 宅建業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入に際して、加入前の宅建業に関する取引により生じたその者の債務に関し、保証協会から担保の提供を求められることはない。
× 保証協会に加入した宅建業者は、直ちに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。

【問 45】宅建業法に規定する宅地建物取引士証(以下この問において「宅建士証」という。)、従業者証明書、従業者名簿、帳簿及び標識に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

× 宅建業者の従業者は、宅建業者が発行する従業者証明書をその業務に従事する間、常に携帯し、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、従業者が宅建士である場合は、宅建士証の提示をもってこれに代えることができる。
〇 宅建業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備え、取引の関係者から請求があったときは、当該名簿をその者の閲覧に供しなければならないが、当該名簿を事務所のパソコンのハードディスクに記録し、ディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできる。
〇 宅建業者は、その事務所ごとにその業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、所定の事項を記載しなければならないが、当該帳簿の記載事項を事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンタを用いて紙面に印刷することが可能な環境を整えることで、当該帳簿への記載に代えることができる。
〇 宅建業者は、売主として一団の宅地建物の分譲を当該物件から約500m離れた駅前に案内所を設置して行う場合、当該物件の所在する場所及び案内所のそれぞれに、免許証番号、主たる事務所の所在地等の所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない。


宅建合格!過去問活用法(宅建業法)

簡単なようで(実際に簡単ですが)柔軟な応用力を試されるのが宅建業法です。定番知識の簡単な問題に見えて、すごく細かいところをやらしくひっかけてきます。一番簡単で一番細かいところまで出題される科目と言えますので、多くの過去問に目を通して出題パターンを掴んでおいてください。

宅建業法は全てが重要です。 疎かにしていい箇所はありませんので逆に勉強しやすいと思います。通常の4択問題でしたら3肢の正誤が分かれば100%正解できますが、「正しいもの・誤っているものはいくつあるか」という個数問題が多い宅建業法で3肢しか分からないと、その問題の正解率は50%となってしまいます。全科目で完璧を求めるのは逆効果ですが、宅建業法は時間の許す限り完璧を目指してください。

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